透析の種類 腹膜透析(PD)について

お腹の中にある「腹膜」を利用して血液をきれいにする治療法です。
自宅や職場などで毎日透析をおこない、病院へ通院するのは月に1、2回程度です。

腹膜透析の原理

腹膜透析では、「拡散」と「浸透圧差」の原理を用いて血液をきれいにしています。

拡散

水溶液中の物質は、半透膜(腹膜)を介し濃い方から薄い方へ移動し、均一な濃度になる性質があります。この現象を拡散といい、拡散の原理によって、からだに不要な物質は腹膜の血管内から腹膜を介して透析液側に、必要な物質は逆に血液側に移動します。

浸透圧差

腹膜透析では「水は腹膜を介して浸透圧の低い(薄い)方から高い(濃い)方へ移動する」という浸透圧差の原理を利用して水を除去します。腹膜透析で使用する透析液は血液より浸透圧を高く(濃く)しているため、血液の過剰な水分は透析液側に移動し、除去されます。腹膜透析では透析液の浸透圧を高めるために主にブドウ糖を使用しています。

浸透圧ってなに?

濃度の濃い水溶液が半透膜を介して濃度の薄い水溶液から水を引きつける力です。

腹膜透析を始めるための準備

体外から腹腔内に透析液を導き、また腹腔内から透析液を体外に導き出すため、腹腔内外をつなぐカテーテルを入れる手術を行います。このカテーテルを腹腔への出入り口の意味でペリトネアル(腹膜)アクセスと呼んでいます。

腹膜透析の方法

透析液を腹腔内に数時間貯めて腹膜を介して血液をきれいにします。透析液を腹腔内に入れている間は自由に行動することができ、数時間に1回腹腔内の透析液を排出して新しい透析液を腹腔内に入れる「バッグ交換」を行います。

腹膜透析に必要なものは?

透析液

腹腔内に貯めて、血液から腹膜を介して不要な水分や老廃物受取り、体に足りない物質を血液に受け渡す溶液です。

透析液には何が入っているの?

腹膜透析では浸透圧差を利用してからだの水分を除去するため、高濃度のブドウ糖等を入れて透析液の濃度を高くしています。

ナトリウム / カルシウム / マグネシウム / クロール / 炭酸水素(重炭酸) / 乳酸 / ブドウ糖等

自動腹膜透析装置

自動腹膜透析(APD)をおこなう際に使用します。
あらかじめ設定したプログラムに従って自動でバッグ交換を行います。

治療バッグ交換のスケジュール

連続携行式腹膜透析(CAPD)

1日に4回程度バッグ交換をします。

自動腹膜透析(APD)

就寝中に機械で自動的に透析液の交換をおこないます。

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