透析について 腎臓について教えて!
腎臓ってどんな臓器?
腎臓は背骨の両脇、腰の上あたりに位置する左右1対のそらまめに似た形の臓器です。重さはおよそ150g、握りこぶしくらいの大きさの臓器ですが、心臓から送り出される血液の約1/5が腎臓に流れ込み、尿が作られます。
腎臓のはたらき
腎臓には主に以下のはたらきがあります。
1. 老廃物などの排泄、処理 | 体でいらなくなった老廃物などを尿中に排泄したり分解して血液をきれいにします。 |
2. 水分の調節 | 体内に適切な水分量が保たれるよう、尿の量を調節します。 |
3. 電解質の調節 | 血液の電解質 (ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなど) 濃度が適正となるよう調節します。 |
4. 酸塩基平衡(pH)の維持 | 血液を弱アルカリ性に保ち、酸性や過度のアルカリ性に傾かないよう調整します。 |
5. 血圧の調節 | 体液量を調整し、血圧を調節するホルモン(レニンなど)を産生、分泌して血圧を適正に保ちます。 |
6. 赤血球数の調節 | 血液(赤血球)を増やすホルモン「エリスロポエチン(EPO)」の産生を調節して赤血球の数を適正に保ちます。 |
7. ビタミンDの活性化 | ビタミンDにホルモンとしての作用を発揮させて(活性化)、カルシウムやリンの吸収・排泄を調整して、健康な骨を作ります。 |
腎臓の働き(腎機能)が低下すると・・・
二つの代表的な病態があります。急激に腎臓の働きが低下する急性腎障害と、徐々にゆっくりと腎機能が低下する慢性腎臓病です。
急性腎障害
急性腎障害は何らかの原因で急に腎臓の働きが低下する病気です。原因の除去や治療で腎臓の働きが回復する可能性があります。
慢性腎臓病
慢性腎臓病は糖尿病や高血圧を含む様々な原因によって腎臓の働きが徐々に悪化し、最終的には腎臓の働きが不十分となり、死に至る病です。長い期間をかけて腎臓の働きが低下していき、腎臓の働きの回復は原則望めません。また、心臓や血管の病気にもかかりやすくなります。
病気の初期には尿にたんぱくや血液が混じったりしますが、自覚症状はありません。やがて腎臓の働きが低下してくるとむくんだり、血圧が上がったり、貧血になったり、尿量に異常がみられ始めます。さらに腎機能が低下すると体の中に尿に排泄されるべき老廃物が溜まって、尿毒症と呼ばれる生命にかかわる状態に陥ります。腎機能の低下を抑えるよう食事療法や薬物療法を行いますが、末期に至ると救命のためには透析あるいは腎臓移植などの腎代替療法が必要となります。最近では患者さんとの合意の上、透析や移植はせずに尿毒症症状(吐き気や呼吸困難など)や苦痛の軽減のための治療を行う保存的腎臓療法が選択されることもあります。
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